シーアイランドコットンとは

海島綿

「幻の王室コットン」

大アンチル・小アンチル・オランダ領アンチル・バハマの各諸島からなるカリブ海・西印度諸島。このうち、小アンチルの6つの島々でのみ産出される「ゴシピウム・バルバデンセ」を原種とする世界最高級綿が海島綿(シ―アイランドコットン)です。

1492年、コロンブスがバハマ諸島を発見。その後、英国が16世紀末に西印度諸島を領有した頃から海島綿の綿花栽培が盛んとなり、1750年に英国王室直属の西印度諸島海島綿協会が創立されました。以来、約200年余りの間、海島綿は英国によって作付・耕作・収穫・綿繰・船積に至るまで厳しく管理され、門外不出とされてきました。

英国王室には「綿製品は海島綿」というしきたりもあったほどです。これは、当時の女王エリザベス1世が海島綿をシーツやネグリジェに用い、その快適な感触を愛でられたことに端を発するそうです。以来、海島綿のシャツは英国の貴族、紳士階級のステイタス・シンボルとされ、小説の中でジェームズ・ボンドが愛用していたことでも有名です。

 

海島綿

「繊維の宝石とも言われる希少性」

ちょうど綿木が発芽・成長する時期は雨に恵まれ、開花時には乾季が訪れるという、コットンを傷めない絶妙の気象サイクル。綿をやさしく育む貿易風。年間平均気温26~28℃、年間降雨量約1,100~1,200mm、年間日照時間3,000時間以上という気象条件。

また、土地は地盤が珊瑚礁のため肥沃で水はけがよく、アルカリ性。さらに、昼夜の温度差が少ないため、均一な節の少ない繊維の綿が育つなど、海島綿は西インド諸島の限られた地域特有の気候風土でこそ生まれます。その生産量は綿全体の10万分の1以下という、まさに希少価値の高い素材です。

 

 

海島綿はよく「絹のような光沢とカシミアのような肌触り」と形容されます。海島綿は他の高級綿と比べても光の反射度が高く、素晴らしい自然の光沢をもっています。

また繊維は、他のコットンに比べ圧倒的な長さを誇っています。衣服に用いる繊維は長ければ長いほど、糸をつくるときに撚りが少なくてすみ、ソフトは風合いの製品に仕上がります。また繊維自体が長いと、つややかでなめらかな生地となり、耐久性も高まります。